ワインを知りたいあなた、まずはグラスワインを極めましょう!

ワインを知りたいあなた、まずはグラスワインを極めましょう!

何と言ってもワインの醍醐味はグラスワイン!

ワインを知るためには種類を多く飲むのが一番の早道です。その為にお薦めしたいのがお店のグラスワインを楽しむことです。この記事では店のグラスワインとグラスワインを多く提供しているお店を説明します。

美味しいワインを飲んだきっかけに、何となく気になり始め、ちょっとワインやってみようかな?と思うことがあると思います。
「どうやったら良いかな?」
第一の関門がこれです。ワインショップに行っても種類が多すぎて選べず、まわりにワインに詳しい人に聞くと何やら難しそうな話をしてくる。試しに薦められたワインを購入して飲んでみても、なんか美味しくないな、ということで・・・「やっぱりワインは向いていないんだ」と見事玉砕!初心者あるあるです。

人によって美味しいワインは違います。ベテランに美味しいワインがビギナーに美味しい保証はありません。ワインは実際に自分で飲んでみるしかないです。それを効率的にできるのがお店のグラスワインです。これを知ると店の選び方も変わってきます。

グラスワインを極める!

前に(初心者向け)ソムリエに対してのワインの注文の仕方という記事で自分の好みのワインを探しましょう!とご提案しました。じゃあ「探そうか!」といっても、いきなりワインショップに行って手あたり次第ワインを買って来て味見をする、という訳にはいきませんので(肝臓的にも、金銭的にも)レストランやバーのグラスワインを活用することになります。

では、どうやってグラスワインを極めるか?ワインバーでグラスワインを飲みまくるのも結構ですが、時間とお金を効率的にするには、まずはグラスワインについてしっかり理解してからグラスワインを飲む店を探す方が良いと思います。という狙いでこの記事をUPしました。

小ネタですが、「グラスワイン」という表現は和製英語だそうで「a wine by the glass」というのが正しいそうですが、日本でワインを飲む分には無視して構いません。店のメニューにも「グラスワイン」と書いてます。ただ、会食の時のちょっとした話題には使えます。

なぜグラスワインがお薦めなのでしょうか?

なぜグラスワインがお薦めなのでしょうか?

グラスワインで提供されるワインは店によって違います。それぞれの店が客層、料理の種類、価格帯等を考慮しながら知恵を絞って選んでいるので当然です。ちゃんとした店では提供するワインを決めるまでに多くの検討を行っています。レストランの場合、料理に合わせて泡、白、赤を使い分けますので大人数か飲む量が半端ないカップルくらいしかボトルを開けません。そこで大きなレストランは飲み残しの心配が少ないので泡、白、赤を数種類置くケースが多いです。

私は店選びの際にお店のウェブサイトに載っているドリンクメニューを確認します。そしてグラスワインでハウスワインや「赤ワイン」「白ワイン」「スパークリングワイン」という表現で書かれているところは避けるようにしています。ワインに力を入れていないと判断するからです。実際にそのような店ではスーパーでボトル500円くらいで売れらている目新しさがないワインを置いていることが多いです。先ほどの「ハウスワイン」もそうですが、メニューにグラスワインのブドウ種類、生産国が明示されていない店も避けます。いちいち確認するのも面倒ですし、ウェイターが知らなくて確認に時間がかかるケースがあるからです。

外で食事をするたびにグラスワインを1~2杯飲むだけで、一年間でかなりの種類のワインが飲めます。それに家で飲むワインを加えれば年間100種類を超えることは大変ではありません。それだけ種類を飲み、ブドウ種類、生産国を押さえるだけで自然とワインの経験は増えてきます。そうなると、店でワインを探す時もブドウ種類、生産国だけでイメージがわくようになります。

他にもグラスワインの良いポイントがあります。店によって違いは有りますが、グラスワインとして出されるワインの提供量は大体一杯120ccくらいです。ボトル1本が750cc なので、ざっくりボトル1本が6杯分になります。グラスワインで6種類のワインをテイスティングするのにボトル1本分で済むという勘定なので、身体にとてもやさしいということになります。

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グラスワインは高い?価格の決め方を知りましょう。

グラスワインを・・・と言うと「高い!」という反応をされる方が多いですが、実際のところどうでしょうか?ある店のマスターにお聞きしたのですが、その店のボトル価格は仕入れ価格のボトルワインの価格を4.5杯取りした価格で設定しているそうです。例えば仕入れ価格2000円のワインであれば・・・

2000円×3.0倍÷4.5杯=1333円 ➡︎ 1300円くらい

となり、仕入れ値2,000円のワインは1杯1300円で提供されるということです。

基本的はどこの店も同じような決め方をしているそうです。店の客層やワインの提供量、店の狙い等で係数が変わってきています。概ねボトル価格の係数の部分が1.5倍〜3.5倍、1本からとるグラス数が4杯〜7杯くらいです。じゃあ、ボトルワインの倍率とグラス数が一番お客様有利な場合を計算すると以下のようになります。

2000円×1.5倍÷7杯=429円 ➡︎ 500円くらい

2000円くらいのワインでこんな安いグラスワインを見たことは無いので、極端な過ぎるかもしれませんが、店によって価格に3倍くらいの差が出るのがグラスワインという認識で良いと思います。

何でグラスワインはそんなに高いのか?まあ、一言で言えば、店の相場のイメージです!とは言っても、それで話が終ってしまったら、ここまで読んでいただいた皆さまに失礼ですので、価格の内訳をボトルワインのコストグラスワイン固有のコストに分けて説明させていただきます。ここの部分を理解することが、先々のお店選びに役立ちます。

ボトルワインの価格のコスト内訳

ボトルワインの価格は大雑把に言えば以下の4つコストで構成されています。

①ワインの仕入れ価格
②ワインの保管料(セラー等で保管する費用)
③抜栓料(ワインを開ける技術料・ワインをサーブする技術料)
④店の運営管理費(在庫ワインの保管料を含みます)と利益

①ワインの仕入れ価格

ワインショップ

ここの部分は店とインポーターや国内ワイナリーとの間に卸やショップを通すかによって価格が異なってきます。店によっては店員がショップまで出掛けて行って、一般の消費者と同じ価格で購入する場合もあります。

②ワインの保管料

ワインセラー

ワインは結構手間が掛かります。まあ、そこが良いところって話もありますので好き好きとは思います。

ワインは振動を嫌います。また、ワイン屋さんに聞くと「高級ワインは購入してから1週間くらい寝かせてから飲むことをお薦めします」とアドバイスされます。もっとも高級ワインは勿体無さすぎですぐ飲みませんので、自然と数年寝かしちゃいますが・・・😓

ワインはボトルの中でも熟成が進みます。10年以内のビンテージなら、保管している時間が長ければ長いほど熟成が進んで複雑な味のワインになります。ところが冷蔵庫のように低温過ぎると瓶内熟成が進まないので、ワインセラーで適切な温度(と湿度)で保管することになります。

③抜栓料

抜栓

誰もが最初は「何それ?」と考えるのが抜栓料の存在です。実際に抜栓料いくらとリストに書いているところはまず無いと思います(あれ?前にどこかで一度だけ見た気が・・・)

実際、ボトルワインを時間をかけて(2~3日くらい)じっくりと味わうと、驚くほど変化するので驚きます。ワインは生モノなので時間とともに変化します。その状態を確認しながら、温度を調整したり、デキャンタージュをする等で、お客さんに美味しい状態で飲ませてくれます。その技術料が抜栓料です。ですからコルクじゃなくてスクリュー栓の場合でも掛かることになります。

④店の運営管理費と利益

店内

これは普通の飲食店の店舗と同じです。家賃及び維持費、光熱費、税金等の他にワインの在庫もコストになります。

ワインの在庫について一つの極端な例を検証しましょう。

店員が毎日ワインショップに行ってワインを10本購入、その10本でその日のお客さんへ提供し、完売するというような運用の仕方が出来ればワインの在庫のコストはゼロになります。

実際には毎日の来店者数も違いますし、お客さんの趣味も違います。グラスは無理でもボトルではお客さんの趣味に合ったワインを提供したいと考えれば、店側として積極的に在庫を持つことになります。

これをお店選びの面から見ると、ワイン在庫の種類と量を誇るレストランのワインは相対的には割高な可能性があり、ワインを極力絞って特定のハウスワインだけで回す店は相対的には割安という事がいえ方がコスト的にはメリットがあることになります。この点は店ごとで在庫部分をどこに載せるかが違うそうですの、一つの見方とさせてください。

グラスワインとするための固有のコスト

グラスワインはボトル価格を提供する杯数で割って決めるのですが、その際以下の点が考慮されます。

①テイスティングで消費される量
②売れ残って自分で飲んでしまうリスク
③1杯の提供量

①テイスティングで消費される量

テイスティング

くれぐれも「テイスティングとして自分で飲むものを価格に入れるのはけしからん!」とお怒りなきよう・・・。先ほどワインは変化する飲み物だ、と説明しましたが、グラスワインの場合、抜栓して数時間で空くことは滅多になくて、通常は1日もしくは数日かけて消費されることになります。

そうすると、どうしてもワインを提供するタイミングごとにワインの状態が違うことになります。そのために、グラスワインをお客さんに提供する前にテイスティングをして、ワインの状態を確認することが重要になります。仮にテイスティングで20㎖消費したとして、6杯で120㎖、ほぼグラス一杯分になります。

この点をお店選びの観点で見ると、ろくろくテイスティングもしないでお客さんにワインを提供している店は避けるべきです。ワインは刻々と変化しますので、「開店したときとか、抜栓したときテイスティングしたから良いや(^^;)」というものではありません。良い店ほどしっかりとテイスティングをしてからワインをサーブしています。

②売れ残って自分で飲んでしまうリスク

ワインを飲む

店の方に聞くと、売れ残ったワインを廃棄することは無い(例外的に劣化の場合はたまに捨てることがあるそうです)そうです。ワインラバーが経営しているのだから当然ですね。生モノのワインですからオーダーが有るまで何週間も待とうというわけにはいきません、長期在庫で劣化してしまったワインを出すわけにいかないので、店では大概味が落ちかかったタイミングを消費期限にしているそうです。実際にはぎりぎりの線で残ったワインは自分で飲むか、常連客に格安で提供するなりで消費するので、飲めなくなるほど劣化して廃棄するということは少ないそうです。

③1杯の提供量

ワイングラス

一口でグラスワインと言っても店によって提供量は違っています。私が経験しただけでも120㎖、100㎖、60㎖、30㎖、というような提供量が有ります。通常のワインは120mlか100㎖で提供して、高価なワインで通常のグラスワインの量だと高すぎるケースに60㎖や30㎖になります。

お店の選び方

お待たせしました。では、ワイン初心者がどんなお店でグラスワインを飲んだら良いか?です。

前提として、ワイン初心者が気軽に入店できて、ワインの説明などもしてもらえる店としたいと思います。もちろんソムリエがいるイタリアンやフレンチレストランというのもありますが、一人〇万円コースになるので、今回は候補から外しました。

ワインショップが経営するワインバー

ワインショップが店舗内に設置しているテイスティングバー(いわゆる角打ちです)やレストラン内にワインショップを販売している、食事にも力を入れているタイプ、期間限定で有料試飲をやっている店、その中間的な店等色々なタイプがあります。

角打ちタイプ

角打ちタイプは元々ワインショップなのでグラスワインは「有償試飲」の位置づけなので割安な価格で設定されていることが多いです。グラスワインで提供するワインの種類が多い店や少ない店が、あります。また、つまみがナッツやドライフルーツ等の簡単なものになりますので、この手の店は空腹の時には避けた方が良いと思います。

この手の店は元々ショップなので店員はワインの知識もあり、説明も熱心なところが多いので初心者には向いていると思います。

このタイプの店で全国展開しているところを2カ所挙げておきます。もちろん地域毎には他にもたくさんショップがあると思いますが、それは別の記事でご紹介しようと思います。

エノテカ
ショップのところにワイングラスのマークがついた店がテイスティングバーを設置しています。

ヴィノスやまざき
ショップのところにテイスティングバーの営業時間を書いているところを選んでください。

WINE SHOP NICO
二子玉川と横浜にある角打ち方式のワインバーです。

ワインレストランタイプ

レストランメニューもしっかり有って、グラスワインの種類が豊富なところです。最近ワインショップがレストランを経営することが増えています。ワインに力を入れている「成城石井」が経営している「Le Bar a Vin 52」 とか、先に当ブログでご紹介したKALDIの経営する「HAGARE」とかあります。ただ、ボトルワインをお得に提供するのがメインでグラスワインが少ないので、今回の趣旨には合わないです。

全国展開で、グラスワインが豊富な店というと、ピーロートというドイツのワイン屋さんが経営している「ワールドワインバーbyピーロート」があります。ただ、ここは基本高級ワイン中心なので、グラスワインの価格としては割安ですが、ワインに関して金銭感覚が狂っていない初心者にとっては「高いな~」と感じるかもしれません。

ワールドワインバーbyピーロート

札幌、東京、横浜、大阪、福岡に展開しています。私が愛用しています。

カウンターのみのワインバー

ワインバーにもいろいろなパターンが有りますが、初心者が勉強しに行くなら、テーブル有りのワインバーより、カウンターのみワインバーでバーテンと気軽に話ができる店が良いです。ただ、ワインバーの場合、常連でがっちり固められて新参者は話に入りにくかったり、店によってはグラスワインの価格が最低1200円から、というような高めのワインしか置いていない店もあるので注意が必要です。

そのような場合、「ぐるなび」「食べログ」等で店をさがすことになります。その場合、私の経験上、次のようなポイントをチェックしながらお店選びをすると大外れをしません。

①カウンターだけの店(店の写真や紹介文で確認します)
②ワインリストでグラスワインが確認できる
③料理のメニュー(料理メニューが少ない店)
④店の紹介文に嫌な部分が無い(これはその人によって違いますが、結構的を射たりします)

特にワインリストの確認は重要です。使いやすい店はたいていグラスワインの種類(数)と価格(価格帯)を掲載しています。

まとめ

[box05 title=”まとめ”]
ワイン初心者の方はワインバーのグラスワインで効率的に経験値を上げましょう
グラスワインの価格の内訳を理解してお店選びに役立てましょう
ワインショップが運営しているワインバーを有効に活用しましょう。
ワインバーは訪問前に十分に調査を
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長々とお付き合い頂きましてありがとうございました。お薦めのお店については管理人が実際に訪問して、「今日のレストランはどこ?」として掲載を予定しています。
それでは!また!

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